CD

ルーツをたどって

フォークソング・アレンジメント
FOR VOICE & PIANO

ラファエル・ファーヴル、テノール
加藤 哲子、ピアノ

民謡は、口承されたメロディーと伝わる話がもとになったものでありますが、その中には、労働歌(仕事歌、作業歌)や、政治的な意味合いを持った革命歌もあります。

クラシックの作曲家たちは、例えば、バルトークがハンガリーの農村(現在はスロヴァキア、ルーマニアの一部)を数年かけて回り、歌を採取し、そこから独自の作品を書いたように、民謡に魅了され、歌とピアノのための作品を数多く残しています。バルトークの民族音楽への情熱や深い研究、独自の作曲語法の探求姿勢にシマノフスキーや間宮芳生は、たいへん影響を受け、自分たちのルーツを探っていきました。民謡から得たインスピレーションは、芸術作品へ至る糧になったと言えます。

私たちは、そんな作曲家の思いの溢れた独創性のある民謡歌曲に感嘆し、このプログラムを作り上げました。11カ国語(フランス語、イタリア語、スペイン語、ヘブライ語、スコットランド語、英語、ドイツ語、チェコ語、ポーランド語、日本語、ハンガリー語)の歌曲を扱うに至り、それを母国語にする人にコーチしてもらうことで、益々その国や人々への理解と関心が深まりました。ちなみに12カ国目は、グリーグのピアノのための農民舞曲になります。

本企画のプログラムは、変化に富んだ非常にユニークな内容で、技術的にもバランスが取れた芸術歌曲集になっており、歌とピアノの両演奏者が同等の音楽的責任を持って作り上げます。聴いていただくお客様が旅をするように、その土地や人々に思いをはせていただけたら幸いに思います

令和元年度文化庁芸術祭参加 レコード部門

B. Britten (1913 – 1976)

民謡編曲集より 第3集 イギリス

1. 農場の少年

2. 慰めてくれる人もなく

3. 霧の露

4. 優しのポリー・オリヴァー

T. W. ADORNO (1903 – 1969)

七つのフランス民謡による声楽とピアノのための編曲集

5. 月の光に

6. 素敵なドラム

7. うまくいくさ

8. アヴィニョンの橋

9. 眠れよ、コラ

10. 僕のガールフレンドと

11. 僕はいいタバコを持ってるさ

J. BRAHMS (1833 – 1897)
ドイツ民謡集より  

12. 谷の底で

13. 目覚めておくれ、私の宝よ

14. マリアの巡礼

15. ああ、もし今夜もう一度

16. 一本の菩提樹が

A. DVOŘÁK (1841 – 1904)

民謡風の調べより

17. 何も変えられない  

M.  RAVEL (1875 – 1937)

民謡集

18. フランスの歌

19. スペインの歌

20. イタリアの歌

21. ヘブライの歌

間宮芳生  (1929*)

日本民謡集より

22. とのさ (山形県民謡)

K. SZYMANOWSKI (1882 – 1937)

クルピエ地方の歌より

23. 嵐は近づいて

24. 湖畔で

25. 山の若い男は歌い降りてくる

E. GRIEG (1843 – 1907)

ノルウェーの農民舞曲より

26. ホーヴァル・ギボエンがオーテルホルト橋のほとりで見た夢 

27. ヴォッセヴァンゲンのトロルの婚礼行列

B. BARTÓK (1881 – 1945)

20のハンガリー民謡より

28. Juhászcsúfoló

羊飼いの戯れ歌

29. 縁結び  I

30. 縁結び II

31. 酒盛りの歌